7月12日、小豆島に行きました。
瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、映画のロケにもよく使われるほどたいへん美しい島です。
温暖な気候に恵まれ、長い歴史と豊かな文化を有する島です。
今回は、その美しい景色を鑑賞し、食文化を学びます(醤油(しょうゆ)、佃煮(つくだに)、胡麻油(ごまあぶら)、手延素麺(てのべそうめん)、オリーブオイルは、小豆島の5大特産品といわれています)。
大型バス2台で、まず、新岡山港からフェリーに乗りました。素晴らしい天気に恵まれ、遠くまで澄み渡り、穏やかで美しい海と、島々を、眺めることができました。
約1時間で、小豆島の土庄港に着きました。今回は、見学の収容人数の関係から、行程の一部が、1号車と2号車と分かれます。
1号車は、初めに、小豆島ふるさと村にあるそうめん館に向かいました。島のあちこちに、オリーブの木が植えてあります。
そうめん館では、門干(かどぼし)といわれる作業を見学しました。ほんのり黄味がかった麺を、乾燥台に引っ掛けて、2本の木ばしで、延ばしながら細く仕分けます。触ると、表面に薄ら油が塗ってあるのがわかります。これが、小豆島特産の胡麻油です。胡麻油は、酸化しにくい油で、そうめんの酸化を抑え、油臭くなく、風味豊かなまま食べられるそうです。約100軒のそうめん農家から集められた手延べそうめんが小豆島の手延べそうめんとして、市場に出されるそうです。
一方、2号車は、醤の里(ひしおのさと)と呼ばれる、しょう油や佃煮の工場の集まった地域にあるマルキン醤油記念館を見学しました。この建物は、大正時代に建てられ、諸味(もろみ)から、しょう油を搾り出す圧搾工場だったそうです。小豆島では、約400年前にしょう油づくりが始まったそうですが、醤油の香りが漂う館内には、しょう油の製造で使われた巨大な蔵、桶、など道具類が展示されていました。
さて、お昼は、オリーブ公園で、昼食と見学です。一度に80人が入れるようなレストランがないため、弁当の持参をお願いしていました。
小豆島は、日本のオリーブ発祥の地です。オリーブは、香川県の県木、県花にもなっていて、その葉は、平和のシンボルでもあります。
秋から初冬にかけて、黒紫色に熟したオリーブの実は、収穫され、オリーブオイルに圧搾加工されます。
今はまだ実が若いので、食べても、美味くないのですが(とても不味い)、オリーブ公園のスタッフの方から、説明があった時、自由にかじってもいいと言われたので、せっかくなので、実を取って食べる人もいました。園内にも、多くのオリーブの木が植えられていました。この季節、オリーブの実は、緑色です。
食後は、オリーブ畑を散策したり、ギリシャのミロス島(ミロのビーナスで有名な、エーゲ海に浮かぶ島)と姉妹島になったことを記念して建てられたギリシャ風車を見たり、オリーブの歴史や産業が紹介されているギャラリーを見学したり、各自、自由に、見学しました。
午後から、2号車は、そうめん館、1号車は、マルキン醤油記念館を見学しました。
この日のクライマックスは、潮の干満により道が現れたり海に消えたりするトンボロ現象が起きる「天使の散歩道」(エンジェルロード)を散策です。
午後3時ごろ、1号車と2号車は、エンジェルロードで合流しました。引き潮で、島がつながっていました。記念写真を撮った後、向こうの島まで歩いていく人、カニやヤドカリなどを獲ることに夢中になる人、砂地を裸足で歩いてみる人、各自、自由に過ごしました。
午後4時30分のフェリーに乗り、小豆島を後にしました。
生徒の感想一部紹介
「今まで何気なく食べていた醤油やオリーブオイルについて詳しく理解できました。とても暑かったですが、それ以上に、とても充実した学習になりました」
「昔ながらの景色や自然を感じました。しょう油があんなふうに作られているとは思いませんでした。小豆島は自然を大事にしていて素晴らしいと思いました。フェリーも初めて乗って、いい体験でした。また来てみたいと思いました」
「小豆島の手延べそうめんの作り方を見て、ああやって延ばして作られているんだとわかりました。今日初めてオリーブの実を食べましたが、酸っぱくて一生覚えているような味がしました」
「そうめんの箸割り見学をして、そうめんの表面にごま油が塗ってあるのを初めて知りました。実際近くで見ていると箸割りはとても難しそうでした。職人さんは簡単にやっていたので、長年やっていれば難しいこともできるのだなと感じました。オリーブ公園では、近くでオリーブの木が見られたので感動しました。マルキン醤油へ行くと、大きな樽があったり、昔使っていた広告やグッズが置いてあったりして、おもしろかったです。また、醤油ソフトクリームは食べる前はドキドキだったのですが、食べてみるとチョコレートの味に近かったので、安心しました。でも、ずっと食べていると、醤油の酸味が口に残り不思議な感覚でした」
「箸でそうめんを分ける作業を見て、スルスルと細長くなっていくのが、面白いと思いました。それに、風に揺れる細長いそうめんが綺麗に見えました。オリーブ公園では、広々とした海がとても綺麗で、ハーブガーデンで様々な香りのハーブを見ることができました。マルキン醤油では、バスを降りた瞬間から、醤油の香りがしていて、記念館の中にあった大桶など実際の醤油作りを感じる迫力がありました。初めて小豆島に来ましたが、どの観光地も、島独特の見所があり、ゆっくりとした時間を過ごせて楽しかったです」
保護者の感想一部紹介
「お天気にも恵まれてとても気持ちの良い校外学習でした。小豆島ふるさと村でのお話で、そうめん一つの銘柄でも一つの場所で作ったものではないということで、驚きました。オリーブ公園は、オリーブの緑と海風が気持ちよかったです。エンジェルロードは久しぶりに浜を歩き、磯の香りが心地よかったです。マルキン醤油は歴史を感じる佇まいで、面白かったです。ゆったりと過ごせた旅となり、楽しく良い気分転換となりました」
「久しぶりに子供と二人で外出をし、話もできて充実した一日となりました。そうめんは多数の生産者が作っていて、組合でまとめて出荷しているので、味が別々のものであるとは知らなかったです。天候にも恵めれ、景色のよい島で、楽しい一日が過ごせました」
「小豆島は昨年も瀬戸内芸術祭で訪れたことがあり、穏やかな海や風景で、今回、新たに訪れていなかった場所で色々と見学ができてよかったと思います。手延べそうめんの作り方、しょう油の作り方、親子で学ぶことができてとてもうれしく思いました。一日がとても充実した時間になりました」
「普段の生活の中では見ることのない友人とのつき合い方を見ることができてよかったです。また、子どもと2人でバスに乗るようなこともないので新鮮でした」
「子どもが大きくなってから一緒に行動することがなくありがたかったです」
「小豆島の食文化について改めて勉強できたいへん参考になりました。醤油は、大豆と塩から作られると思っていましたが、小麦も大切な材料であることが初めてわかりました。他にも、オリーブが、これほど島の中にたくさん植えられているのには、びっくりしました。気候も温暖だし、景色も素晴らしく感動しました。又、機会があれば来てみたいと思いました」
「充実した校外学習でした。そうめん、オリーブ、しょうゆなど、食文化についていろいろ知ることができました。この小さな島にこれだけの特産物があることがすばらしいと思いました。今日は、自由時間がたくさんあったので、他の保護者の方と少し少しお話することができ、よかったと思います」
「(卒業なので)最後の校外学習でしたが、とても楽しい1日でした。親子で参加する校外学習なので、1日ゆっくりいろんな事を話すことも必要だと思いました」